第11回HT研究会は、東北大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 医用画像工学分野、計測自動制御学会 監事、本間 経康 教授 による「医用画像診断のための人工知能による解析から人工知能の解析へ: 医療課題解決に向けて」です。
まずは、先生がご所属されている東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター AI応用医学部門についてご紹介いたします。(以下、サイトより引用)
医学AIを臨床に役立てる実践的研究開発の推進
機械学習、とくに深層学習を用いたデータ駆動型の人工知能AIの発展に伴い、医学への応用研究が盛んとなり、問題設定によっては専門医に匹敵する高性能を達成しています。
一方で、実臨床では必ずしも期待通りの性能になっていないという指摘もあり、克服すべき課題が山積しています。
現在のAIの中心技術である深層学習は性能に優れる反面、結論に至る過程がブラックボックスと言われ、その根拠の説明が難しいとされ、これが、環境が変わると性能保証ができない要因の一つと考えられています。
しかし、深層学習は数理モデルであり、再現性に問題はなく、解析可能という意味では本質的にブラックボックスではありません。実際、様々な解析により、その機能解釈は可能になりつつあります。
本部門では、たとえばこの数理的な解釈の医学的妥当性を検証する学際的な手法等を用いて臨床で真に有用な人間中心AI構築の方法論確立に挑戦し、研究室内と実環境における機能の差異解消等に取り組み、臨床応用に向けた研究開発を推進します。
『Global x Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成拠点と連携しながら、多岐にわたる臨床上の要求に応えるため、本部門には「クリニカルデータマイニング」、「医用知能ロボティクス」、「ヘルスデータサイエンス」、「医用オミクス」、「医用画像」の5つのコアセンターを設置しました。
医療情報の増大や接続不良性への対処、医師の偏在や働き方改革等、保健医療分野の課題解決に有効なAIをはじめ、個々の患者に対して最適で安全な医療を提供するための持続可能な医学の深化・創生に資するAIを、各領域の特性に応じて実践的に研究開発します。
大学病院や情報科学研究科などの学内関連部局、企業や行政等との共同研究と人材交流を積極的に展開しながら、AI応用医学研究の一大拠点となることを目指します。(引用以上)
第11回ヘルステック研究会「医用画像診断のための人工知能による解析から人工知能の解析へ: 医療課題解決に向けて」
人工知能の基盤技術の1つである機械学習の医用画像解析への応用について説明します。
例えばアルツハイマー型認知症の画像診断例や、胃がん検診による早期発見、さらには適応的数理モデルを用いた治療装置の知能化など、臨床応用に向けた具体例をいくつか紹介します。
また、深層学習と従来の数理モデルとの相違に着目し、深層学習による画像解析に加え、深層学習自体の解析が医療課題の解決に繋がる可能性について考察します。