9月10日開催の第6回HT研究会は、瀧 靖之 教授による「生涯健康脳と認知症予防」です!

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第6回HT研究会は、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター センター長、東北大学 加齢医学研究科 教授、株式会社CogSmart 代表取締役・CSO、瀧 靖之 教授 「生涯健康脳と認知症予防」です。

趣味のひとつに楽器演奏をあげられている瀧先生は、2024年7月18日にライブ配信された、第4回 カナデルチカラ発表会ライブ【イケシブSTUDIO】にて、楽器演奏について池部楽器店様との共同研究結果をお話しされています。

こちらのお話しは、池部楽器店様のYouTubeチャンネル「Ikebe Channel」よりご覧いただけます。こちらより一部抜粋し紹介いたします。

セッションによる心と脳の健康への効果

「楽器演奏のセッションが、私たちの心や脳の健康にどれだけ効果があるのかというのを、これまで何年か研究をしてきまして、まさにその結果が出ましたのでそこに関してお話をしたいと思います。

社会背景

日本では、4人に一人が高齢者であり、超高齢化が進んでいます。また高齢になるとストレス耐性が低下し、うつ病を発症しやすいといわれています。また、2040年には高齢者のうち7人に一人が認知症患者になるといわれています。

このような背景の中で、我々に何ができるのかを考えた時に、睡眠や運動が健康にいいといわれている中で、楽器に着目しました。理由は、これまでの複数の研究結果から、例えば個人でピアノ演奏することでポジティブな気持ちが高まり気分の落ち込みが改善したり、記憶の機能が改善したりという研究結果はありますが、楽器演奏未経験の高齢の方に何か効果はあるのかについてはまだ知られていません。

セッションを継続した結果

脳には変化する力=可塑性があるので、いつからはじめても、確実にいろいろなことがうまくなるということがわかっています。ならば、楽器演奏未経験の方が始めることで、考えたり判断したり記憶が高まるだけでなく、セッションすることで一人ではなくみんなで合わせる喜びや一体感、メンバーとのコミュニケーションが、いろんなところに大きな効果があるのでないか、ということを考えて、池部楽器さんと研究をはじめました。

具体的には楽器演奏の経験のない高齢の方たちに、認知機能や心の健康状態について事前に調査させていただいたあと、ある方々には楽器のセッションをしていただき、ある方々にはこれまで通り普通に生活していただき、それを4か月続けて脳や心の健康状態が一体どう変わったのかというのを行いました。」(後略)

※全体のお話しは、第4回 カナデルチカラ発表会ライブ【イケシブSTUDIO】でご覧いただけます。

東北大学 スマート・エイジング 学際重点研究センター

瀧先生がセンター長をされているスマート・エイジング学際重点研究センターについてご紹介します。(以下、東北大学 スマート・エイジング 学際重点研究センターホームページより引用)

「我が国を含む先進諸国では、今後高齢者の更なる増加により認知症による経済的損失の増大が危惧されてます。また、開発途上国においても若年人口が減少しており、高齢社会の到来を近い将来に控えています。

したがって、認知症対策は世界的な重要課題で、特にその予防は喫緊の課題です。特に日本は人口構成の高齢化が先進国の中で最も進行し、認知症とその予備軍を含めると、現在800万人以上の患者がいると推計されます。

また、認知症による経済的損失は、現状においても医療費として約1.9兆円、介護費として約6.4兆円、家族などが無償で行う介護を金額に換算した「インフォーマルケアコスト」として約6.1兆円、合計で年間約14.4兆円に上ると試算されており 、この経済的損失額からも認知症予防対策の社会的ニーズは極めて大きい現状です。

そこで、超高齢社会においても個人や社会が活力を維持するためには、「一人ひとりが、時間の経過とともに、高齢期になっても健康で人間として成長し続け、より賢くなれること、社会全体としてはより賢明で持続可能な構造に進化すること」(スマート・エイジング)が求められ、その実現に向けた研究推進が必要です。

これらの現状を踏まえ、スマート・エイジング学際重点研究センターは、国内外の研究者と連携し、本学の総力を挙げてこのスマート・エイジング実現に挑戦するための学際研究拠点として、医学、工学、経済学、文学始め、多様な専門領域を有する研究者を有して幅広い研究活動、産学連携活動を行っています。」(引用以上)

第6回ヘルステック研究会「生涯健康脳と認知症予防」

東北大学には、多数の方の脳画像を用いたデータが集積されており、私たちの研究室では、生涯にわたる健康な脳の維持に関わる多くの研究成果を発表しています。

今回、脳画像や生活習慣などのデータベースを用いた研究から、どのような生活習慣が脳の健康維持や認知症予防に有用かを、最新の脳科学の知見をもとに分かりやすく説明し、併せてこれらの研究成果の社会実装に関しても紹介します。

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