第1回HTC研究会は 門間 陽樹准教授『「〇〇は健康によい」というためには?』です!

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第1回HTC研究会は、 東北大学大学院医学系研究科 運動学分野、創生応用医学研究センター、スポーツ医科学コア副センター長、門間 陽樹准教授 『「〇〇は健康によい」というためには?』です。

「運動は健康によい」ということはもはや一般常識と言っても過言でありません。しかし、この「〇〇は健康によい」と言うためには、数多くの困難(批判)を乗り越える必要があります。

本講義では、疫学という学問を通して、人を対象とした研究について一緒に考えてもらう機会を提供し、ヘルスケア領域の研究者が何を優先しているかを共有します。

さらに、運動分野の未解決問題の一つとして、現在立案している経験的サンプリングを用いた活動量計の研究計画を共有したいと思います。

研究の概要

門間先生は研究の概要について、東北大学大学院医学系研究科・医学部特設ウェブサイトM-Laboにて下記の通り話されています。

疫学研究とは

「人集団を研究対象とした疫学研究を実施しています。疫学研究とは、実験室環境下ではなく、人が生活している実社会において「〇〇するのと、しないのではどっちがいいの?」という疑問に答えていく学問です。そして、運動やスポーツに関する疫学研究では「体を動かすのと動かさないのでは、どっちがいいの?」が最も根本的な問いになります。

私の場合、特に興味があるのは、高い体力を維持することの影響です。一般的に、体力レベルが高ければ生活習慣病などの疾病リスクは低いことが知られていますが、体力は年齢とともに自然と落ちてしまうものです。

どの点に注目しているのか

体力の落ち具合が大きいと疾病にかかりやすいことは想像に難くないと思いますが、意外とそれを証明した報告は限られているのが現状です。

そこで、「生活習慣病の予防には、体力を高く維持することが必要なのか、それとも一時的に高ければ十分なのか?」という点に注目して研究を行っています」。

「運動は健康によい」をキーワードに様々な研究をされていらっしゃいます。

ムキムキを目指すだけではない。筋トレで死亡・疾病リスクが減少

2022年3月1日発表のプレスリリースの概要をご紹介します。

筋トレは疾病予防や死亡リスク減少に関わるのか

(以下東北大学サイトより引用)
コロナ禍において自宅で簡単にできる運動として筋トレが注目されていますが、心疾患やがんなどの疾病の予防や死亡リスクの減少に関わっているのかが気になります。

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上諒子講師・澤田亨教授および九州大学の本田貴紀助教の研究グループは、これまで公表されている研究結果を網羅的に収集して分析した結果、筋トレを実施すると、総死亡・心血管疾患・がん・糖尿病のリスクは10〜17%低い値を示し、総死亡・心血管疾患・がんについては週30〜60分の範囲で最もリスクが低く、糖尿病は実施時間が長ければ長いほどリスクが低くなることが明らかとなりました。

さらに、筋トレの実施時間が週130~140分を超えると、総死亡・心血管疾患・がんに対する筋トレの好影響は認められなくなり、リスクは高い値を示しました。

本結果は筋トレの長期的な健康効果を示す一方、やりすぎるとかえって健康効果が得られなくなってしまう可能性を示唆する重要な知見です。

本成果は、スポーツ科学・医学分野で最も権威のあるBritish Journal of Sports Medicine誌(電子版)に掲載されました。

なお、本研究は、厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)JPMH20FA1006の支援を受けて行われました。(引用以上)

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